念力

他人から強力なネガティブな感情を,間接的にでもぶつけられると
自分の心持ちもネガティブだったり,不幸せな物になる.
私自身は割と影響を受けやすいタイプだと思っています.
心理的に巻き込まれやすいというべきでしょうか.


たとえ,そこに直接的な悪意が無くても影響力はあるんだね?


で,ふと思い出したコミックの台詞.
恋愛心理学者 森依四月氏曰く

「不幸の発明」


不幸とは何か?
読んで字の如く
幸福の否定形である


しかし
幸福でない状態に
あるからといって
即不幸とは限らない


あえて不幸と
呼ぶところに
積極的な意図がある


人としての幸福の
義務の放棄


不幸は才能です


なろうとする強い意志が必要なのです


また 人には
”不幸になる権利”も
認められて然るべきである


しかし
心理学者という
立場上 私は これを
許すわけには
いかない


心理学は あくまでも
人の幸福をめざすべきであり
不幸な人間は つねに
周りに これを感染させる
傾向にあるからです

恋愛的瞬間 吉野朔実 第5話「不幸の発明」より
このエピソードは
マーガレットコミック 恋愛的瞬間 恋愛的瞬間 (1) (マーガレットコミックス) 小学館文庫 恋愛的瞬間 恋愛的瞬間 (1) (小学館文庫)
で読めます.


こんな形で”恋愛的瞬間”を紹介するのも微妙に不本意?ですが.
吉野朔実さんの長編のなかでは取っ付きやすく,感情移入もしやすいのではないかと思います.
吉野朔実作品入門編としては,先に紹介した”記憶の技法”と併せておすすめです.


私は最初にこの本を読んだとき,イマイチわからなかったのですが,
2回目に読んだとき,ずぶっとはまった感じがありました.
受け取る側の人間の心の向きも,時間と共にに変化する物ですから.
その意味でも,コミックに限らず何らかの作品を他人に勧めるのは難しいです.