良い本屋さん

昨日買い物をした新書店の内の一つは,とてもよい本屋さんでした.
欲しいと思っていた本が,マイナーだけど注目されている本がきちんと揃えられていました.
必ずしも売り場面積と,良い本屋・品揃えの良い本屋は結びつきません.
また,品揃えがよいからと言って,良い本屋とは言えません.


これについては,海野チカさんの日記(2004/11/25)を読んでください.
(海野チカさんは言わずとしれたハチミツとクローバーの作者です.)
http://www2.diary.ne.jp/user/162279/


この文章を読んで,
やっぱりそうなんだ,何で今まで気がつかなかったんだろうと思いまいました.
新しい本との出会いをくれる本屋さんに感謝したいです.


本を売ると言う行為は,商業の中でもかなり特殊な行為で,
これは本にまつわる再販規定と返本と言うシステムに依ります.
これは,本が娯楽の大きな部分を占めていて,
かつアカデミックであった時代に生まれたシステム?です.
なので,本はどの店で買っても同じ値段です.
雑な扱いで,いい加減に本を売っている本屋も,
狭く,地価が高いために売れ筋の新巻しか置かない本屋でも,
真摯にきちんと本を選んで,良い本をきちんと,限られたスペースの中で
わかりやすく,更に提案を行っている書店でも同じです.
価格と言う面での競争が行われず,文化としての書籍が保護されるかわりに,
価格競争と言う意味での努力や淘汰がなされません.


更に,返本というシステムが事を複雑にしています.
書店は仕入れた本を,売れなかったら返却し代金を返してもらうことが出来ます.
書店の杜撰な仕入れ見込みが原因であっても,いい加減な在庫管理が原因であってもです.
一部買い取り(買い切り)制の場合もあります.
岩波(の一部?)やハリーポッターの最近の巻とか(話題になりましたね).
返本率は現状,もはや通常の商業の域ではないと思います.
30%越えることもザラなんじゃないでしょうか?具体的な数字は知りませんが.


システムとしては,努力を惜しまない書店が必ずしも報われる形ではありません.
立地と売り場面積,キャッシュフローと手元の資金のある書店に有利です.


この辺の出版業界裏事情がまとめられているサイトとか本とかありませんかね.
もう一回勉強してみたくなりました.


で,昨日行ったちょっと遠いH書店はいい感じでした.
探していた本も手に入りましたし,
なんと手書きの1月のコミック新刊情報をくれました.
日付を明記して,30冊ほどがリストになっています.手書きで.
(丸字と言うより,のだめカンタービレに出てくるミソ字.女性でしょうか.)
これさえあえれば,書店に張ってある日販の発売日リストを,
細かい文字を目を皿にして読まなくても良いのですよ!
気になる作品がほぼもれなく載っています.イイ!
で,そのA5の紙面の中央に 一番巨大な文字で書いてある

12月16日 6年ぶりの最新刊!美内すずえさん著 新書判
ガラスの仮面 42巻

1月の新刊情報にですよ.きっと12月の新刊情報はもっとすごかったんでしょう.
唯一作者名が出てきてるし.
愛情があふれてます.


昨日買った白泉社の月刊MOEには美内すずえさんの仕事場が紹介してあって,
なんと42巻のために10冊の構想ノート用意されたそうです.
ガラスの仮面はいろんな意味で超弩級ですね.
完結してから読む派の私ですが,読みたくなってきました.
(数話だけ読んだことがあるのですが,描写力,表現力に圧倒されてしまいました.)


このリストによると,とりあえず,1月は

あたりは絶対に外せないってことですね.


これからも良い本屋さんを応援したいです.


ついでに,
一番近いため頻度に行くMH書店北口店は,どうやら悪い本屋の模様.
品揃えも歯抜けが多いし(補充しろよ),とても探しづらい.
同じ系列なのに,より狭い南口店は1度しか行ったことが有りませんが,
探していて見つけられなかった本がすぐに見つけられたし,
雑誌コーナーがとても充実していて,もうすぐ次月号が出る雑誌まで
きちんと置いてありました.
きっと良い本屋さんなんだと思います.フロア面積は北口店の半分未満なのにね.